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(ひとり入ったらその分溢れる)プールのサイド

Artist
レトロニム(瀬戸沙門・武内もも・野村眞人)

Exhibition
2022年7月15日(金)~ 2022年7月31日(日)12:00 ~ 19:00
※毎週火水休み​ ※土曜日ワークショップ開催

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● はじめに

 

レトロニムは、2022年に劇団速度から名前をあらため、新たに動き出したコレクティブです。

メンバーは変わらず、瀬戸沙門・武内もも・野村眞人の3人です。

 

レトロニムになる前、劇団速度のころは、人・もの・出来事についての捉え方の違いや、感覚のズレ、距離感などを出発点としながら、主に上演作品やパフォーマンス作品の発表を劇場内外で行っていました。

 

そこでの制作のプロセスは、それぞれが異なる分野での活動をしてきた中で培われた専門性を集め、一つの作品へと結実させるというものでした。

それは同時に、自らのその専門性にさらに自覚的になること、そして自分が他者からどのように影響を受け、どんな考えをもっているのかを知るプロセスでもありました。

 

● 集まることで、その人自身が見えてくる

 

そうした中で、徐々に重要になっていったのは、専門性を「集める」こと以上に、他者と「集まる」ことで初めて見えてくる「わたし」について知ることでした。

 

他者への越境と自己への再帰の実践が、それぞれのメンバーのうちに独自の表現を芽吹かせる土壌となり、それとともに個人で作品を制作することに繋がっていきました。その一方で、それでもなおグループでいるとはどういうことかを考えるきっかけにもなりました。

 

そういうような経緯で、コレクティブというあり方を、集めることから集まることへと名付け直すように、劇団速度はレトロニムになりました。

 

● プールのサイド

 

今回、レトロニムはグループ展を開きます。

出展者はメンバーの3人です。それぞれの関心に寄せた作品を制作しています。一つの会場に、それぞれの作品を並べて見ます。そこに集まるものは、それぞれの専門に裏打ちされているかもしれないし、全く別のものかもしれません。そこにメンバーそれぞれと、グループとしての現在地をもとめ、そこからまた出発したいです。

 

集まることが制作の手段ではなく、集まることそのものが表現として立ち上がること、そしてその中では、水で満たされたプールに人が入るとその分だけ溢れ、プールサイドに立つ人の足下を濡らすように、不意に、しかし確かに関係が生まれるはずだと思います。

そしてそれは、そこに訪れる誰かをも含んでいるはずです。

 

そんなプールのサイドでお待ちしています。

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